「寝る前にスマホをやめたいのに、つい触ってしまう…」
「気づいたら深夜までSNSを見てしまって寝付けない…」
こうした悩みは今や珍しくありません。自分もついスマホを触ってしまって、寝られなくなった経験が何度もあります。
ですがご安心ください。スマホを完全にやめられなくても、寝つきはしっかり改善できます。
そこで、この記事では
- なぜスマホで寝つきが悪くなるのか(理由)
- やめられない人でもできる「現実的な」改善策
- 今日から実践できるステップバイステップの方法
- 効果を高める睡眠グッズ
についてご紹介します。
なぜスマホを見ると寝つけなくなるのか
寝る前にスマホを見ると寝つきが悪くなる。これはもう常識のように広まっていますが、「なぜなのか?」を正しく理解している人は意外と多くいません。
原因を理解すると、これから紹介する対策が“なぜ効くのか”が自然に腑に落ち、行動にもつながりやすくなります。理由を理解しないまま「スマホやめなきゃ」と思っても、結局すぐに元に戻ってしまいます。まずはメカニズムから整理していきましょう。
ブルーライトがメラトニン分泌を遅らせる
スマホの光に含まれるブルーライトは、体内時計を調整するメラトニンというホルモンの分泌を抑制します。メラトニンは「暗くなる→分泌される」「光が強い→減る」という性質があり、夕方以降は自然に増えることで眠気が高まる仕組みになっています。
しかし、スマホと目の距離はわずか30cm前後。テレビと比べても段違いに近いため、光の刺激が脳にダイレクトに届きます。そのため「夜なのに昼のように明るい」と体が勘違いし、眠気が後ろ倒しになってしまうのです。
スマホの“情報刺激”が脳を覚醒させる
問題は光だけではありません。
- SNSの通知
- 動画のテンポの速さ
- フィードが無限に続く仕組み
- 先の見えない刺激(ギャンブル性)
これらはすべて脳の興奮を助長し、 眠気よりも「続きが見たい」という感情を強めてしまいます。
特にSNSは“終わりがない”ことが特徴で、無限に続くタイムラインにより、脳がやめるタイミングを見失います。だから「そろそろ寝よう」と思っても、いつの間にか30分、1時間と時間が経ってしまうのです。
スマホをやめられない理由は“習慣”にある
「寝る前にスマホを触りすぎてしまうのは意志が弱いからだ」。そんなふうに思って自分を責めていませんか?
しかし実際は、寝る前のスマホは依存ではなく、単なる“習慣行動”であるケースが多いです。
依存ではなく“パターン化”されているだけ
習慣とは、毎日の繰り返しによって「自動化された行動」です。
- 布団に入る
- 横になる
- スマホを手に取る
- SNSを開く
- 気づいたら時間が過ぎている
この流れが毎晩のルーティンとして定着しているため、やめようと思っても自動的に手が伸びてしまうのです。脳は「いつもの行動」を優先しますから、習慣化してしまえば、毎日ほぼ同じ行動が繰り返されるのは当然です。
寝る前は意志力が弱い時間帯
人間の意志力は有限なので、仕事・勉強・人間関係・情報処理などで消耗していき、夜になると最も弱くなります。そこに“強い刺激”を持つスマホがあるのですから、やめられないのはむしろ自然な反応。
「今夜こそ早く寝るぞ」と朝に思っていても、夜になると崩れるのはこのためです。
また、寝る前は脳が“短期的な満足”を求めやすい状態になります。
「気分を変えたい」
「ぼーっとしたい」
「現実を忘れたい」
こうした欲求に最も応えてくれるのがスマホです。だからこそ寝る前のスマホ習慣は強固になり、やめるのが難しくなります。
【結論】寝る前スマホは「刺激」を減らせばOK
寝つきが悪くなるのはスマホそのものではなく、“脳を興奮させる使い方”をしていることが原因です。
そのため、
- 刺激を減らす
- 光の量を調整する
- 見るコンテンツを変える
- 使い方のタイミングを工夫する
といった方法で“興奮要因”をコントロールすれば、 スマホを普通に使いながらでも入眠はしっかり改善できます。
逆に、スマホをゼロにすることを目指すとストレスになり、余計に脳が覚醒してしまうこともあります。だからこそ、今の習慣を大きく変えずに「刺激だけ減らすアプローチ」が最も現実的で効果的です。
それでは、具体的な4つの方法を見ていきましょう。
①画面の明るさ・色温度を「夜用」に自動調整する
ブルーライトは光量を下げるだけでもかなり軽減できます。以下は、寝る前の刺激を最も簡単に下げられる方法です。
- 明るさは手動で一番暗く
- ダークモードON
- ブルーライトカットON(iPhoneならNight Shift)
光が弱くなるだけで、目の疲れも減り、自然な眠気を邪魔しなくなります。ぜひ一度、お試しください。
②刺激の強いコンテンツを避け、ゆるいものに切り替える
寝る前に動画やSNSを見続けてしまう人はコンテンツの刺激レベル を変えるだけでも睡眠が改善します。ポイントは「脳が続きの刺激を求めにくい内容に変える」ということ。
OKなもの
- 音声コンテンツやBGM系の動画
- ゆるい漫画(解説・環境音・朗読系)
- 日記アプリ
NGなもの
- ショート動画(Reels / TikTok / Shorts)
- 感情が動く内容(炎上、恋愛、対立)
- コメント欄を追い続ける行為
- ゲーム
見る内容を変えるだけで寝つきは大きく改善します。少しずつで良いので、変えてみましょう。
③スマホ後に「30秒の切り替え行動」を入れる
寝る前にスマホを見た直後は、脳がまだ“情報処理モード”のままです。その状態でいきなり目を閉じても、うまく眠れないのは自然なことです。そこで有効なのが、スマホから睡眠へ移行するための「切り替え行動」です。例えば、以下のようなものがあります。
- ゆっくり深呼吸を3回する
- 首や肩を軽く動かす
- どうでもいい出来事を1つ思い出す
などなど、30秒ほどで終わるもので十分です。毎晩同じ行動を繰り返すことで、脳が「この流れ=寝る時間」と学習し、入眠までの時間が短くなっていきます。
④行動で条件をつくって区切る
「◯時まで」「あと15分だけ」といった時間制限は、意外と守りにくいものです。なぜなら、脳は「時間」よりも「行動」の区切りで満足しやすいからです。
そこでおすすめなのが、「動画を1本見たら終わり」「記事を1つ読み終えたら終わり」といった“終了条件”を先に決めておく方法です。終わりが見えることで、途中でやめるストレスが減り、自然にスマホを置きやすくなります。寝る前は、スクロールし続けるコンテンツより、終わりがあるものを選ぶことがポイントです。
寝つきをさらに良くする“睡眠アイテム”も効果的
睡眠アイテムというと「なくても寝られるもの」「気休め」という印象を持つ人も多いかもしれません。しかし実際には、睡眠アイテムは睡眠の土台を整える役割を担っており、特に「寝つきが悪い人」「スマホ習慣がある人」との相性は非常に良いです。
寝つきが悪くなる背景には、
- 光刺激が残っている
- 体が緊張状態のまま
- 首・肩・目が疲れている
といった要因が複合的に絡んでいます。睡眠アイテムは、こうした要因を行動を変えずに物理的に補正してくれるため、努力感が少ないのが最大のメリットです。
今回は3つほど睡眠アイテムをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
睡眠用アイマスク
スマホのブルーライト対策をしていても、部屋の照明や外からの光が残っていると、脳は完全に“夜モード”に切り替わりません。アイマスクは視界を強制的に遮断するため、脳に「もう情報は入ってこない」と認識させる効果があります。
特に、音声コンテンツを聞きながら眠る人にとっては相性が良く、「目は完全に休ませつつ、耳だけ軽く刺激する」状態を作れるため、自然な寝落ちにつながりやすくなります。
枕
寝つきの悪さは、実は「姿勢の違和感」から来ていることも少なくありません。首の角度が合っていないと、無意識に体が緊張し、脳も休めない状態になります。
枕が合っていると呼吸が深くなり、副交感神経が優位になりやすくなります。その結果、「布団に入ってからなかなか寝付けない」といった状態が起きにくくなります。
特に、スマホを見たあと首が前に出る姿勢になりがちな人ほど、枕の影響は大きいです。いま一度、自分の枕があっているかチェックしてみましょう。
リラックスグッズ(ネックウォーマー・温熱系)
スマホ使用によって目や首、肩が緊張したままだと、体は“戦闘モード”のままです。この状態では、布団に入っても眠気が出にくくなります。
温熱系のリラックスグッズは、筋肉の緊張をゆるめることで交換神経の働きを抑え、体を強制的にリラックス側へ引き戻す役割を果たします。特に首元を温めると、自律神経への影響が大きく、入眠までの時間が短くなりやすい傾向があります。
どうしても寝られないときの最終手段
ここまで紹介した方法を試しても、
「今日はなぜか眠れない」
「頭が冴えてしまって寝つけない」
という日もあるはずです。そんな方のために、最終手段を2つご紹介します。
ですが大前提として、睡眠は非常に繊細なものなので、ストレス・体調・日中の活動量・カフェインの影響など、さまざまな要因に左右されます。大切なのは、眠れない夜を“失敗”だと捉えないことです。
10分だけ起き直す
布団の中で長時間ゴロゴロしていると、脳は「ベッド=考え事をしたり、スマホを見る場所」と誤って学習してしまいます。
その状態を防ぐために有効なのが、一度あえて布団を出ることです。 ポイントは「がっつり起きない」こと。10分程度で大丈夫です。
- 部屋の照明は暗めのまま
- 強い刺激は避ける
- 目的は“眠気を呼び戻す”こと
このように条件を絞ることで、脳がリセットされ、「もう一度眠る準備」に入りやすくなります。
体温調整と呼吸法が即効性が高い
どうしても頭が冴えてしまうときは、体側から脳に「リラックスしていい」という信号を送るのが効果的です。
手や足を40℃前後のお湯で温めると、末端の血流が増え、結果として深部体温が下がりやすくなります。これは自然な入眠プロセスと同じ流れで、眠気を引き出しやすくなります。
また、呼吸法も即効性があります。特に「吐く時間を長くする呼吸」は、副交感神経を刺激し、心拍数を落ち着かせてくれます。
まとめ:スマホをやめなくても睡眠の質は上げられる
今回は、寝る前スマホをやめずに寝付きを良くする方法についてご紹介しました。以下まとめです。
- スマホが悪いのではなく“刺激”が問題
- 刺激を減らせば寝つきは十分改善できる
- 寝る前スマホは習慣であり、やめられないのが普通
- 睡眠アイテムの併用で改善はさらに早くなる
寝る前にスマホを触ってしまうのは、ごく自然な行動です。重要なのは「やめる」ことではなく、眠りを邪魔しない使い方に変えること。
今日からでもできることばかりなので、気負わずに1つずつ試してみてください。きっと数日で「あれ?寝つきが良くなってる」と実感できるはずです。
それではおやすみなさい(ZZZ…)
