「ウェイトブランケットをかけて寝ると熟睡できる」という噂を耳にしたことはありませんか?最近、メディアやSNSの広告でこのような情報が流れてきて気になっている人も多いと思います。
実際、自分も「重さと睡眠の関係」については気になっていました。そして驚くことに、ウェイトブランケットをかけるだけで、人によっては熟睡効果をもたらしてくれることがあるみたいです。
そこで今回は「ウェイトブランケットに熟睡効果が期待されている理由」、オススメする人・しない人についてご紹介していきます。選び方を含めた使用の際のポイントも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
熟睡効果を期待されている理由
ウェイトブランケットに熟睡効果を期待されているのには、2つの理由があります。
- 圧迫感により安心感が得られる
- 保湿性が高く暖かい
それぞれ詳しく解説していきます。
圧迫感により安心感が得られる
1つ目の理由は「重さによる圧迫感が安心感をもたらす」とされているからです。
まず重要なのが「深層圧刺激(DPS)」という仕組みです。ウェイトブランケットの適度な圧力は「抱きしめられているような感覚」をもたらし、幸せホルモンを分泌すると考えられています。その結果、身体がリラックスして熟睡効果を期待できるというわけです。
特に重要な幸せホルモンが「オキシトシン」と「セロトニン」です。どちらもストレスを軽減して不安を和らげる効果がありますが、セロトニンはさらなるホルモンを分泌する材料になります。それが「メラトニン」です。メラトニンは眠りを促すホルモンで、寝付きが良くなったり、中途覚醒を減らす効果があります。
保温性が高く暖かい
ウェイトブランケットは、その重さによって体に密着するため、空気をしっかりと確保して閉じ込めます。そして、閉じ込められた空気は自身の体温で温まるため、保温性が高くなるのです。
重さゆえに寝ている間も布団がズレにくく、温めた空気を逃がさないので一定の温度を保ちながら睡眠し続けることができます。そのため、重い掛け布団は冬場にオススメのアイテムと言えるでしょう。
逆に夏場だと蒸れや不快感を感じてしまい、逆効果となる可能性があるので、夏場の使用はあまりオススメしません。もし使用する場合は、冷感素材のものを選ぶなど工夫しましょう。
ウェイトブランケットをオススメしたい人
ウェイトブランケットは不安やストレスを感じやすい人にオススメですが、他にも以下2パターンの人にオススメです。
- 神経系の特性を持つ人
- 不眠症や中途覚醒に悩む人
それぞれ詳しく解説していきます。
神経系の特性を持つ人
まずオススメしたいのはASDやADHDなどの神経系の特性を持つ人です。
例えばASDの人は「感覚過敏」や「感覚鈍麻」のどちらか、もしくは両方を持つことがあり、自分の体の境界線がわかりにくくなることがあります。
そのような時にウェイトブランケットを使えば、「ちょうどいい感覚刺激」を与えるツールとして機能し、「自分の存在を実感する」手助けになります。そして、特性が抑えられることで安心感をもたらし、熟睡効果を生むようになるというわけです。
とはいえ、かえって症状を悪化させてしまう可能性もゼロではありません。医師と相談して使うようにしましょう。
不眠症や中途覚醒に悩む人
「ベッドに入ったけどなかなか寝付けない」
「寝ている間に何度も起きてしまう」
このように不眠症や中途覚醒に悩む人にもウェイトブランケットはオススメです。
自分では自覚していなくても、気づかない間にストレスをため込んでしまい、それが不眠症や中途覚醒の原因となってしまうことはよくあります。この状態は交感神経が優位であり、いわばあなたの体は「戦闘モード」。眠れないのも無理はありません。
そこで登場するのがウェイトブランケット。深部圧刺激を与えることで、副交感神経が優位になり、眠気を促してくれます。また、毎日ウェイトブランケットを使うことで「重さ=寝る時間」と体が記憶し、眠りをルーティン化してくれる効果も期待できます。
不眠症や中途覚醒に悩む人は、ぜひ一度使ってみてはいかがでしょうか。
重い掛け布団をオススメしない人
ウェイトブランケットはメリットをもたらす一方で、使う人によってはデメリットになることもあります。
- 呼吸器系に問題がある人
- 筋力が弱い人
- 体温調節が苦手な人
これらに該当する人は使用するのを避けた方が良いでしょう。
呼吸器系に問題がある人
呼吸器系に問題がある人がウェイトブランケットを使用するとどうなるかは想像に難くないはずです。
ご想像の通り、胸部に圧力をかけることで呼吸がしにくくなり、息苦しや酸素不足を引き起こす原因になります。また、それだけにとどまらず、喘息の発作や咳が誘発される場合があり、最悪の場合は呼吸困難で死に至ることも…
そのため、呼吸器系に問題がある人も使用を避けましょう。
筋力が弱い人
筋力が弱い人は自力でブランケットをめくれないことがあり、呼吸器系に問題がある人と同様に呼吸困難になるリスクがあります。
またそれだけでなく、自力でブランケットをめくれずに長時間同じ姿勢でいることで皮膚トラブル(床ずれ)を起こす可能性もあります。
さらには、筋力がないことで「動けない」という感覚が強まり、不安感やパニックの引き金になることもあるため、使用するのは控えましょう。
体温調節が苦手な人
普段から暑がりだったり、ほてりが強いなどの「体温調節が苦手な人」にもオススメできません。
他とは違い、生命を脅かすことはないですが、ウェイトブランケットは熱がこもりやすいためシンプルに「快適さ」が損なわれます。
体質なので仕方ないですが、モノによっては通気性が抜群の素材で作られているものもあるので探してみるのも良いかもしれませんね。
重い掛け布団使用する際のポイント
ここではウェイトブランケットを使用する際のポイントについて、以下4つをご紹介します。
- 体重の1割程度の重さを選ぶ
- いきなり全身にかけない
- 通気性・温度管理に注意
- メンテナンス方法をチェック
効果を最大限に発揮するために要チェックです。
体重の1割程度の重さを選ぶ
ウェイトブランケットを使用する際に最も重要な点は「自分に合った重さ」のモノを選ぶことです。重すぎても軽すぎてもいけません。
目安は「自分の体重の1割程度」とされています。例えば、体重が60kgの人であれば、6kgのウェイトブランケットがオススメです。
とはいえこの重さはあくまでも目安です。例え体重が60kgの人であっても5kgの方が好みの人もいれば、7kgの方が好みの人もいるでしょう。
そのため、実際に試して自分が心地よいと思う重さを選ぶのがベストです。
いきなり全身にかけない
お風呂に入る時に、「いきなり全身から浸かるのではなく、足元から浸かると良い」と耳にしたことはありませんか?これは、お風呂の熱が体にとって刺激になるため、全身が一気に刺激されてストレス反応が起きないようにするためですが、ウェイトブランケットにおいても同じことが言えます。
お風呂の熱さが刺激になるように、ウェイトブランケットの重さもあなたの体とって刺激になります。そのため、いきなり全身にかけるのではなく、足元からかけて重さに慣れるようにしましょう。
また、いきなり長時間使うこともストレスに繋がります。最初は2~3時間だけ使うようにするなど、段階的に使用して徐々に慣れていきましょう。
通気性・温度管理に注意
先述の通りですが、重い布団は密度が高くなる分、空気が抜けにくく湿気がこもる傾向があります。湿気がこもることであせも・かゆみ・肌荒れの原因になることもあるので、通気性・温度管理には気を付けましょう。
素材としてオススメなのは綿や竹繊維です。また、ブランケットそのものではなく、室温を下げたり扇風機などを使って通気性を良くする方法も効果的なので試してみてください。
メンテナンス方法をチェック
ウェイトブランケットには、洗濯機で丸ごと洗えるタイプとカバーだけ洗えるタイプが存在します。丸ごと洗えるかどうかは、ブランケットについている洗濯タグを確認しましょう。
多くのブランケットは洗濯機使用不可(ただし手洗いは可)でカバーのみ洗えるモノが多いので、どうしても洗いたい場合は丸ごと洗える商品を買いましょう。
また、カバーを洗う際にも注意点があります。生地を傷める可能性があるため、柔軟剤や漂白剤の使用は避けるようにしましょう。
まとめ
今回は「重さと睡眠の関係」、ウェイトブランケットのメリット・デメリット、使用する際のポイントなどについて解説しました。以下まとめです。
- 重さによる圧迫感が熟睡効果を生む
- ストレスを感じやすい人にはオススメ
- 不眠症に悩む人にはオススメ
- 筋力が弱い人など、一部の人にはオススメしない
- 体重の1割程度の重さのモノを選ぶ
- いきなり全身にかけて使用しない
ウェイトブランケットはすべての人にオススメできるわけではありませんが、多くの人にぜひ一度試してもらいたいアイテムです。
もしかしたら、あっという間に夢の中に行けるかも…?
それではおやすみなさい(ZZZ…)